ずっと、信頼してきた。

もちろん、多少の行き違いはあったし

「別れ」を考えたことだってある。

それは、きっと、、、どんなに仲の良い夫婦であってもそうだろう。

それでも、口も聞かず、視線も合わせない日が数日も続けば

お互いにその空気の重さに耐えられなくなる。

心のどこかに無理矢理押し込めてしまった夫の対する思いが膨らんでくるのだ。


やがてどちらともなく、歩みよって、互いに手を取り合う。


そんな事を20年以上も続けてきた。

これからも、ずっと、、、いいえ、、、死ぬまで一緒に居るものと信じていた。

「信じていた・・・」 その気持ちは今でも変わらないが、

ある種の危機感を持ったことは間違いない。


お互いに自分を見つめ直す時間が必要だね。


しゅうはそう言った。

しかし、見つめ直す必要があるのは私だけだと思う。

彼は、、、しゅうは、、、これまでずっと「自分」と対峙してきた。

客観的に、時には俯瞰で自分の事を見つめる事が出来る人だ。

あの「冷静さ」には頭が下がると同時に、「醒めた目」に恐怖を覚える事もあった。



25歳で結婚して、仮に80歳まで生きるとすると、55年間一緒に居ることになる。

2人の間にセックスが存在するのは、何年だ?

60まで頑張ったとして、35年。 55までなら30年。 

残りの20~25年は「レス」なわけさ。

その20年をどう仲良く過ごす? 

そろそろ考えておかなくちゃならないだろう。



しゅうの言わんとすることは分かるが、私の心に引っかかる一つの「事実」

しゅうの中では、幕引きされたものかも知れないが、

私にとっては、解決していない問題なのだ。



「浮気」

「不倫」

「裏切り」


こんな事に悩む資格は無いかも知れない。

いままで数多くの「既婚男性」と関係を結んできた私。

心と体を分離させて、「愛」とは縁の無いセックスを楽しんできた。

愛とセックスは別な物、、、を実践してきた私が

夫の浮気に 心を痛めるのは、矛盾している。

それは良く、、、良く、、、分かっている。


でも、、、、